八ヶ岳、小淵沢に住む山岳ガイド、加藤美樹・久野弘龍が、ヨーロッパ・シャモニやドロミテ、国内の雪山、冬山、バックカントリースキー、夏山、登山・クライミング教室、ガイドを行っていま
す。国際山岳ガイド連盟・日本山岳ガイド協会所属



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雪山に挑まれる方へのクライミングのススメ


皆さん、雪山に対する準備は如何ですか?
今シーズンも初級雪山として行っているの赤岳のコース、そして次のステップである厳冬期バリエーションやアイスクライミングに対するお申込みを多数いただいています。


雪山の準備としてクライミングは最適

雪山にクライミング技術?と思われるかもしれませんが、クライミングをしている方としていない方の雪山の技術の習得度に大きく差がでます。
アイスクライミングは当然ですが、アイゼンワークの練習、実際の登山でも大きな差が出ます。


山での歩行は運動を考えるとクライミングと同類であり、平坦地の普段の歩行とは別物です。
クライミングと山での歩行の共通点は、片足で発ち続ける時間が比較的長く、平坦地の普通の歩行は片足で立つ時間が短い(あるいはほとんどない)というのが分類の理由です。
片足で立つというと簡単に考えがちですが、平坦地でそれを行う訳でないのが登山の難しいところ。
バランスを崩すことなく片足で立てないと、動かさないといけないもう片方の足を自在に動かせなくなり、歩行がぎこちなくなったり、アイゼンを引っ掛ける原因になります。


クライミングをすると片足で立った時の感覚やその効果を身につけやすくなる。

片足で立つには、全体重が片足に乗る必要があり、その感覚が身についていないとバランスを崩しやすくなります。
「上半身がしっかりと片足で支えられる状態」というのを感覚として捉えられない方は、斜面で怖くて足を動かせなくなります。
実は普段の街での歩行は片足で支える瞬間が殆んど無いため、足で体を支えている感覚はなく、それゆえにイザしっかりと片足で立たないといけない時に上手くできていないことが多々あ
ります。
もっとわかりやすい例で言えば、体軸、体幹がぶれないで運動するというのがこのことであり、それを「運動神経が良い」といえます。
片足でしっかりと上半身を支えられている上体を瞬間的にしっかりと作りながら運動することができると、早く走ったり、バランスを崩すことなく行動したりすることができます。

クライミングは手を使って登るため、そんな意識は無いかもしれませんが、実際には交互に片足で上半身を支え続ける運動です。
壁に張り付いて、それを手で支えながら片足で上半身を支える運動なので、クライミングをしていると自然に片足で立つ感覚が身についてきます。


登山道の岩稜歩きやアイゼンや登山靴での岩登りはこの経験に当てはまりません。

勘違いの基となるのですが、「山での岩稜は、練習と経験には当てはまりません」
(山での岩稜とは練習ではなく、練習無しの、命を懸けた本番だからです)

これと同様に、登山靴での岩登りや岩場でのアイゼン訓練は怖さが先に立ってしまい、片足に立って安定して足を動かすというよりも、バランスを崩さないように手で岩にしがみついて行動
するという間違った運動となり、危険度が増すだけです。
身につくのは怖さに対する耐性であり、そんな耐性が付いてしまうと、危険を認知できない様になってしまいがちです。
経験値の範疇に入るとは言い難いので、ご注意ください。


皆さんの技術の向上を図るのと安全を守るのはガイドです。、しかし実際に登るのは、みなさん自身の手足です。

ロープの扱いなどガイドに任せれば良いのですが、初心クラスである赤岳以外の方は、ご自身のロープが結べたり、高い居場所でのセルフビレイ程度はできるとベスト!

グローブを使ってのカラビナ操作が苦手な方は多いのですが、これはカラビナの操作の仕方が間違っているから。
カラビナはただ開けて、掛ければ良いというものではありません。
開け方というのがあり、これを無雪期に身につけておくとグローブをしていてもカラビナ操作がしにくいという事はありません。
無雪期の間にクライミングを通じてカラビナ操作を身に付けましょう。


クライミング経験があると有利ですが、アイゼン講習はどなたでも参加していただけて、雪山だけでなく必ず今後の登山の役に立ちます。

ここまでクライミングが大事と言ってきましたが、もちろんクライミング経験がなくとも講習の参加はOKです。
是非おこしください。
効果は必ずあります。

しかし可能ならご近所の室内ジムでも構和ないのでクライミングをして臨んでいただくと、理解しやすくなり、講習の効果はより大きくなります。
雪山装備の準備と同様にお考えいただき、心構えの一つとしてクライミングをお勧めします。


私達の行っているクライミング講習もあります。


Step upクライミング初級1/2 甲府幕岩
初心者の方でも相手を安全に確保することから、基礎の動きまで学べます

甲府幕岩・クライミングクリニック
「ただ登る岩登り講習」からは一歩上行く、外講習後+クライミングジムで、自分の欠点を直しつつ復習出来る、室内も含めた経験のある方にはお薦めプログラム




初級雪山講習、赤岳のコース参加に迷っている方へ

初めての方でも、それを行える体力さえあれば、一日目のアイゼン講習で体の使い方歩き方、今後自分で練習する方法などもお伝えしています。
それでも実際自分ではトレーニングをし、準備して臨んだつもりでも、それが足らなかったという事はあります。
不器用で、他の方よりマスターが遅い事もあります。

ですが私共の八ヶ岳での講習は、ほぼ毎週1〜3回ペースで行っているため、改めての復習アドバンスコースとして、忘れてしまってもそちらへ再度のご参加が可能です。
(下記参照)このため一度参加したらそれで終わりではなく、ご自身での継続した練習も可能であり、安心してご参加いただけます。

厳冬期の赤岳を初心者が登るには、1も2も無く先ずは体力!(実際夏山経験ゼロ、体力抜群のお客様の参加実績あり)

赤岳の登山は、雪の赤岳が初級だから初心者レベルの山なのではありません。
初心者が個人山行で初めてで選ぶには、命がけの、転べばお終いの世界です。

それでも多くが登れるのは、同じ鎖場が継続し、同じ傾斜の阿弥陀岳に事故が多いのに、何故?
と思われる方は、そこに気が付くだけでも良い判断です。

強い西風を受ける独立峰の八ヶ岳では、東斜面に積雪が集中します。
厳しい冷え込みによってその積雪は軽く、寒気厳しく風の強い年によっては全てが飛ばされてしまう為、東面に溜まります。

東面に一般道があり、鎖場が積雪によって、ただの急な雪壁になるのが阿弥陀岳ならば、風が強い程にいつまでたっても鎖の埋もれない西面に、一般道が位置するのが赤岳です。

ですからたとえそのラインが氷結した足場であっても、鎖から離れず、鎖に頼り、しがみついていられる力のある人には、何とかなってしまうのが赤岳。
ですがそれは、果たして自力で歩いて登って来たと言えるのでしょうか?

晴れていれば兎も角、森林限界の上で天候の変化があれば、足元の判断や目測は狂います。
こうして厳冬期の赤岳では、月に何人もの滑落者が出ることになります。

初心者レベルの方に必須なのは、そレを行うには斜面の斜度もありかつ距離も限られる滑落停止ではありません。
先ずは正しく歩けるコト、こそが肝心です。

これには講習をみっちり行える、筋力と体力が必要です。
技術はこちらでサポートできます。転んでも止めます(大勢でのロープ繋ぎはナンセンス!どんなに屈強なガイドでも止まりませんよ)

あくまでも、歩くのはご自身の足と体です。ご自身で働いた対価である貴重なお金を使うのですから、有効に活用出来るよう、体力をつけ臨んでください。
体力に自信がないのであれば、少し先の日程を申込み(その時になってからでは空いていません)、それまでに山でなくとも構いません。スクワットで十分です。
筋トレを行いましょう。

正しいスクワットは、初め数回しかできないことから、5分も掛かりません。

鏡を見ながら、つま先と膝の方向を必ず一致させ、胸を張り空気椅子に座りましょう。
心肺機能のトレーニングは、これを苦しいところまで徐々日ごとに、合間を空けることなく高速へと持っていきます。
不可が強いので、筋肉痛の部位が変わるよう、前後に足を開いたブルガリアンスクワットも有効です。

これにより、事前の登山は不要となります。(あくまでも苦しくなる手前で辞めない様に!苦しくなってからこそが勝負です!)


初級赤岳からではなく、レベル2からの参加ご希望の方へ

結論からいうと、雪山経験とできればクライミング経験があり体力には自信のある方ならば、必ずしも初級講習のご参加からでなくても大丈夫です。

いきなり初めての雪山がレベル2からだと難しいですが、過去に雪山経験があれば必ずしてもステップUP1から参加しなくてはならないという事はありません。
しかし雪山経験と体力があれば、参加していただくことは可能な場合があります。

先ず雪山は圧倒的に体力勝負です。
レベル2になると、傾斜が強くなることから筋力が重要になり、歩く登山しかしていない方にはきついかもしれません。
少なくとも、コースタイムの8割よりも速いペースで歩けることが必要です。

雪山と関係ないと思うかもしれませんが、クライミングを日常的に行っている方はバランスを取る能力やその間隔が優れている(よくなっていく)ため、クライミング経験のある方はアイゼンワー
クを身に付けるのにかなり有利になります。

そういう訳でレベル2からの参加をご希望の方は、雪山経験、クライミング経験、体力の目安をご連絡ください。





多くの方が初級赤岳講習で、しっかりアイゼン講習を受けていただくことにより、登山道で反対から歩いてこられても私共のアイゼン講習を受けられたお客さまなら、例え遠くからでも一目で
解るレベルになる方が沢山おられます(器用不器用には差がありますから、受講後も自身で努力せばならない個人差はありますが概ね)

こちらでの参加者は基本的には年間を通した個人山行で、自身の体を上手く使いしっかり歩けるようになりたい、という方が中心です。

実は夏も冬もアイスもクライミングも含め、全ての基本動作の理屈に変わりはありません。

なのでアイゼン講習を受けることによって、体の動き方をマスターし、このことにより

「夏の歩きが上手くなったんです!」

「私、下りはどうしても長年苦手だったのに、歩けるようになっていました!」

というお話も、当たり前なのですが頻繁にお伺いします。


バリエーションスタートでも良いのですが、他のガイドから移られた方は、多くがまず、この「歩き」が出来ません。

例えクライミングを継続して続けていたとしても、やはり他で習っている方にはこの理屈が理解できていない為、歩き方は上手くなく、バリエーションでルートは登れるのに、下山で歩けなか
ったり、躓いてロープで止められたりするのもこのためです。

それでも体力のある方は、1日目をアイスではなく、アイゼン講習を初級の方と共に受けることで変われます。
このためバリエーションのお申し込みであっても、未経験の方または小屋まで出歩けていないと判断した方には、アイゼン講習から入っていただくことをご理解いただけましたら、レベル2く
らいのお申し込みは問題ありません。

ただこの時期、どんどんお問い合わせが入っており、ご希望の日程が近い程に、ご希望日の連絡は急いでもらわねばなりません。3月でしたらまだ急ぎませんが、ご自身の参考の為、より
早い日程がご希望な場合は、お早目のご検討をよろしくお願いします。


八ヶ岳の積雪と12月の山行について

例年この時期になると八ヶ岳の雪の状態を聞かれるのですが、12月2週目以降はほぼ雪山を楽しめてます。
もし積雪が少なく赤岳に雪がない場合でも北東面側を登る阿弥陀岳は雪がしっかりと付いています。
特に中岳沢は雪が溜まるので、お勧めです。

アイスクライミングについては裏同心ルンゼであれば暖かい日に降雨がない限り大丈夫で、もともと雪の溜まりやすい地形なため、壁が黒くても沢の中はラッセルになるほどの積雪があり
ます。

12月の下旬、いわゆるクリスマス寒波があると八ヶ岳では雪が降る日が増えてきますが、それでも皆さんが思っているほど積もる訳ではありません。
しかし、雪山登山を楽しむには十分な量なので心配しなくても大丈夫です。
むしろ雪の少ない時の方が雪山は難しく、技術が要求される事になります。

しかし、もし本当に雪山、アイスが楽しめない場合は無理な山行は控えた方が良く、私達のガイド山行も中止になりますことをご了承ください。


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山岳ガイド ミキヤツ登山教室は、夏山、冬山ともに国内では八ヶ岳、穂高・槍ヶ岳、剣岳、北岳、小川山、瑞牆山など、海外ではヨーロッパのシャモニ、ドロミテで山岳ガイド、登山教室、雪
山教室、クライミング教室を行っています